医療ボランティアのバイト・仕事内容
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「働かざる者、食うべからず」なんてものではない。
寝たきりで高額収入が得られる仕事がある。
しかも短期間で、だ。
「有償の医療ボランティア」、またの名を「ヘルシー・ボランティア」がそれ。
製薬会社の新薬開発にともなう臨床試験に参加すれば、例えば、2泊3日の入院と検査で8万円など、かなりの報酬が得られるのである。
「それって、人体実験のことじゃないの」とビビる人のために、これがいかに世のため人のため、果ては自分の(懐の)ためにもなるか紹介しよう。
まず、製薬会社の新薬開発とは、次のような過程をたどる。
1 動物実験で薬の安全性と有効性を確認。
2 第一相試験。
健常人のボランティアで、人体への影響を調べる。
3 第二相試験。
対象疾患の患者に投与して、最も効果的な投与の量、回数、間隔を決める。
4 第三相試験。
第二相試験より さらに大規模な患者数に投与して、既存の薬よりも優れた効果があるか確認する。
5 厚生省に申請。
許可を待つ。
この流れのなかで、一般に求められているのが、2の第一相試験だ。
これまで第一相試験は製薬会社が社員を使ったり、小さなクリニックに検査を依頼していた。
しかし、それでは人集めに労力を要するので専門のCRO(臨床試験受託機関)が誕生したのだ。
では、第一相試験は安全なのか。
あるCROの元スタッフはこんなふうに力説する。
「酒を飲むより安全です。
そもそも第一相試験というのは、薬の効果を診るものではなく、薬物動態といって、血中や尿中の薬の濃度を診るのが目的。
だから、妙な症状が出ることはありえない。
それに、新薬といっても99パーセント新しい薬などないんです。
H2ブロッカーが90年代最後の新薬と言われており、通常の新薬の構造は既存の薬とほとんど同じです」
彼が安全を強調するのにはわけがある。
「人体実験」のイメージが強いため、なかなか人が集まらないのだ。
また、CROやクリ二ックの存在自体、あまり知られていない。
それは、検査の公平性や金目当ての人間が試験に参加することを防ぐため、「不特定多数の人間に呼びかけてはいけない」と厚生省が指導しているからだ。
そのため、アルバイト誌に掲載されることもない。
だから、一般に知られることが少なく、口コミによる「紹介制」でのみ〝ボランティア希望者″が集められるのだ。
しかし、CROとしても人を集めなければ仕事にならないので、そのへんは機関によってはいい加減。
直接、電話して「参加したい」とか「インターネットのホームページで見た」というと、申込書をすぐに送ってくれることが多い。
目薬さして3万、精子を出したら加算!?
さて、気になるのが報酬だ。
これは薬の種類や入院日数によって大幅に違ってくる。
ボランティア経験者やCROから聞いたもので最も多かったのが、2泊3日のパターンで、時給800円~1000円。
風邪薬の「2泊3日で6~8万円」などがその典型だ。
変わったところでは目薬をさすだけで3万円とか、湿布薬を貼る試験で3万円などがある。
以下、高額なものをあげてみた。
・脳腫瘍薬 3泊10万円。
・血圧の薬 10泊30万円。
・心臓薬 10泊20万円。
・リユウマチ治療薬 7泊23万円。
・向精神薬 12泊30万円以上。
これ以外にも入院前の健康診断だけで2万円の支給があったり、3500~5000円の紹介料をくれるところもある。
また、検査の項目に脳波や精子の調査があると別途謝礼が加算されることも。
余談だが、精子を採取する方法についてCROのスタッフに聞くと、
「精子を提出するボランティア同士が顔を合わせなくてもすむように、我々スタッフがビジネスホテルに個室をとってあげるんです。
そこで、採取用の容器と一緒に渡すのが、エロ本。
これはお好みを聞いて、スタッフが3冊買ってきます。
なぜか、ホテルのアダルト・ビデオで精子を出してはいけないことになっているんですよ」
そうやって購入したエロ本は捨てないので、CROに何百冊と置いてあるという。
ここで注目すべきことがCRO施設の充実度。
入院中は外出やアルコールは禁止。
また、運動もできないので、本や漫画、テレビゲームなど暇つぶしグッズがかなりの数を揃えてある。
入院中はゴロゴロしていることが多いので、「ギターの練習をしたり、看護婦と合コンの約束をとりつけたりしてました」という者もいるほどだ。
みんながみんなゴロゴロしてばかりというので、だらしない連中の巣窟のような印象も受けてしまう。
しかし、高額謝礼の試験になると、そうはいかない。
「通常、健康診断に合格しないとボランティアとして参加できないんですが、例えば、向精神薬などになると、健康診断もかなり厳しくなる。
精神鑑定や脳波の異常がないか、診断の段階で調べられる。
その段階で不合格者が結構でますね。
また、12泊の入院中も投薬と検査を繰り返す。
知能試験や集中力を測るため足し算の試験もある。
また、モールス信号を1分間何回叩けるかという試験などいろんな検査のスケジュールが入っていて、ハードです。
それでも、向精神薬は医大生の間で人気が高く、キャンセル待ちさえいるほどです」
(CROスタッフ)
CROやクリニックによって、年齢制限や肥満度などボランティアの採用基準は少々異なるが、必ず要求されるのが「マジメさ」だ。
退院後に追加検査が必要な場合があったり、入院中も約束事が多いので、それを守れないようなルーズな人が参加しては困るからだ。
しかし、決まりさえ守れば、こんなラクチンな仕事はないはず。
最近ではリストラの憂き目にあった元会社員なども多いそうだ。
紹介制のツテがない人は、インターネットや電話帳で「臨床試験受託機関」を探し、とりあえず電話をしてみよう。
「紹介」がなくても案外、パスできることが多い。
そして、投薬や点滴、検査さえきちんと受ければ、キミは高額報酬を得ながら、医学の進歩に貢献できるのだ。
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